9月28日早朝、30歳に満たない金正恩氏が(朝鮮人民軍)大将に任命され、労働党代表大会を経て労働党中央軍事委員会副委員長に選出された。中央党校国際戦略研究所の張璉瑰教授は、「朝鮮は先軍政治※国家であり、金正恩氏がこの役職(労働党中央軍事委員会副委員長)に就任したことは、氏が指導者(金正日総書記)の後継者となるための第一歩を踏み出したことを意味する」と述べた。
(※先軍政治:朝鮮の公式イデオロギー。すべてにおいて軍事を優先し、朝鮮人民軍を社会主義建設の主力とみなす政治思想のこと)
性格の特徴 わりあい意志強固で、細部にまでこだわる
金正恩氏に関するメディアの報道では、彼が意志強固な性格であると報じられることが多いが、このような性格は彼の父親譲りのものであろう。報道によれば、金正恩氏はいわゆる負けず嫌いな性格で、性格が父親に似ているために金正日総書記の寵愛を受けてきたという。2004年に母親が亡くなるまでは、金正恩氏はいつも軍服を着、拳銃を携えて、金正日総書記がまもなく視察する軍隊へ率先して赴き、父親の「先軍政治」について宣伝してまわっていた。藤本健二氏(元・金正日氏の専属料理人)は、「金正恩氏は若いが、相当の洞察力と実行力とを備えており、将来の指導者として些かも遜色ない」と言う。また藤本氏は、金正恩氏と握手した際、彼の眼光が非常に鋭かったのが印象的であったとも述べている。
藤本氏の追想の中では、金正恩氏は金正哲氏(キム・ジョンチョル、正恩氏の兄)よりも進取の気概に秀で、特にバスケットコートの上ではそれが如実に現われていたという。藤本氏は、金正恩氏を呼称する際には「小さい王子」と呼ぶのに対し、金正哲氏については少女のようであったと述べる。