来年初めの訪中が確定したゲーツ米国防長官は16日、ワシントンで、中米軍事交流を戦略対話のレベルまで引き上げたい考えを示した。中国国営・中国新聞社のウェブサイト「中国新聞網」が伝えた。
ゲーツ氏は同日、ワシントンで開かれたウォールストリート・ジャーナル紙の最高経営責任者(CEO)理事会に出席した際、米中軍事交流を「両国関係の重要な部分」とし、「演習や人道支援、災害救助にとどまらず、戦略対話のレベルまで引き上げることができる」と語った。
ゲーツ氏は、中米両軍がより深いレベルで軍事交流を行えば、互いの戦略的意図や世界情勢のとらえ方などをより深く理解でき、誤解の回避につながるという。
来年初めの中国訪問について、ゲーツ氏は訪中の要請をすでに受けたことを明らかにし、中国側が中米の軍事交流を重要視しており、両国関係の重要な部分とみなしていることがうかがえる、との見方を示した。
今年10月中旬にベトナムの首都ハノイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日中韓や米ロなど域外8カ国による初のASEAN拡大国防相会議で、中国国防部の梁光烈部長はゲーツ氏と会談し、来年の訪中を要請。ゲーツ氏もこれを受諾した。
梁氏は会談で、中米の軍事関係に対する真摯な姿勢を強調する一方、「軍事関係の発展には依然として障害が残っており、とりわけ台湾への武器売却問題などが軍事関係の進展を妨げる重要な原因となっている。双方の努力により、足踏み状態から前に踏み出したい」と米側を牽制(けんせい)した。
「人民網日本語版」2010年11月18日