空海戦は地域に台頭した大国に向けたハイエンドの軍事作戦構想。空海戦構想の誕生から今日の米韓合同演習までを、次のようにとらえることができる。つまり、地域的なハイエンドの脅威に空母が対抗する上での弱点は、遠方から来る敵を防衛線内に入れさせない「接近阻止(Anti-access)」戦略を実現する近代的な軍事手段を敵国がもっていた場合、空母の役割が半減するということだ。
一般兵器と異なり、巨大な米空母戦闘群は戦略的な威嚇兵器とみなされ、ひいては神格化されるきらいさえある。米の同盟国の中には、突発的事件が起きると、自らの後ろ盾として米空母を持ち出す国が少なくない。だが空母自体の機能からいうと、まず世界範囲での制海権を米軍が確保した上で、次にリスク地域への海空支援となる。さらに現代軍事技術が発展したため、多くの国が空母戦闘群への対抗手段を研究しているが、空母の運航速度や反応速度も突発的事件には不向きで、とりわけ核を含む全面戦争に至った状態「高強度紛争(HIC)」の脅威には対応できない。
空海戦の作戦構想からみれば、米軍が先制攻撃と防御後の反撃のいずれにしても、空母戦闘群が攻撃の第一波にはならない。むしろ▽指揮統制するための情報伝達・処理システム「C4ISR」への対抗策(敵軍衛星システムへの攻撃と大規模な通信電子妨害を含む)▽潜水艦射撃巡航ミサイルによる奇襲▽空軍による急速かつ正確な攻撃--が米軍の最初の一手になるとみられる。
われわれは派手な空母に目を奪われず、見えない危険に目を向けるべきだ。
「人民網日本語版」2010年12月7日