ほくそ笑む日本
朝鮮と韓国のにらみ合いで日本はびくびくしている。しかし、びくびくしながらも、密かに喜ばずにいられない。これで政府は国民にいい所を見せられると思っている。国民の普天間米軍基地問題に対する怒りや不安を上手くはぐらかす事ができると思った。そしてうれしいことに、今回の事で米国は中国と日本の多方面にわたる対立において、どちらの側に付くか明確にしなければならなくなったのだ。更に日本はこの機に乗じて、日本の軍事力強化を批判する国内外の同情と理解をいくらか得ることができたのではないだろうか。国民の不安感を取り除くために、また国家の力を示すためにも日本は米軍と「史上最大規模」の軍事演習を行うことを声高に宣言している。
確かに日米が抱える普天間基地の移設と言う難題はそろそろ最終的な判断を下す段階まできている。朝鮮半島情勢の緊迫は内閣が地方政府に「沖縄の米軍基地の重要性」を納得してもらうには格好の材料となった。暇さえあれば日米関係の勢力図を調整しようとする民主党が道を踏み間違えたことに気付き出直してくれるのを、これで米国も安心して見守る事ができると言う訳だ。
専門家によれば、この度の朝鮮半島の危機を上手く脱するためには、結局は中国が言っていたように椅子を並べて、話し合いをしなくてはいけない。そのことは米国も重々承知しているはずだ。しかし、事実上の会談が始まるその時まで、この得がたい緊張状態を利用し、米国はこっちでは韓国を懐に抱き込み、あっちでは日本を捕まえて離さずにおきたいのだ。米国は、自分が思う「やるべき演習」と「演じるべき芝居」を思う存分満足するまでやってのけるつもりでいる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月10日