日本で臨時国会が12月上旬に閉幕し、与野党間の論争は一段落した。予想外だったのは、政権を握る民主党内部で論争が激化したことだ。焦点となったのは、政治資金問題が騒がれる小沢一郎民主党前代表の衆院政治倫理審査会への出席に対する賛否だ。
民主党は13日に役員会を開き、小沢前代表の政倫審出席について話し合い、対応を岡田克也幹事長に一任することを決定した。岡田幹事長は記者会見で、小沢氏と近く会談し、政倫審に自ら出席して説明するよう求める考えを示した。
政治倫理審査会は、田中角栄元首相が関与した汚職事件「ロッキード事件」を契機に1985年に衆参両議院に設置された。証人召喚と異なり、政倫審での証言は偽証罪とはならないため、出席議員への圧力も比較的小さい。1996年に当時の自民党幹事長・加藤紘一氏が招致されてから、すでに8人が政倫審の審査を受けている。昨年7月には民主党の鳩山由紀夫前代表の政治資金収支報告書の虚偽記載問題をめぐって政倫審が開かれたが、鳩山氏が欠席したことにより散会となった。
アナリストは、13日の民主党の役員会で実質的な結果は出ていないと見ている。会議で岡田氏に一任することが決定したが、岡田氏は早くからこのことに関して全権を担っている。また小沢氏を説得することが決定したが、岡田氏は以前から説得を始めている。これらの会議での決定は、分裂を回避する「苦肉の策」にすぎない。「民主党は小沢氏の政倫審出席を決定したが、小沢氏が決定に従わない場合、民主党は小沢氏を離党させるのか」という記者の質問に対し、岡田氏は「想定していない」と答えた。