そして、中印関係に影響を及ぼす要因は他にもある。それは、パキスタンとの関係を壊したくない中国が、インドの国際連合安全保障会の常任理事国入りを支持していないということだ。これに対し、中国と同様、常任理事国であるアメリカは、米オバマ大統領が先月インドを訪問した際に、常任理事国入りを全面的に支持すると公式に表明している。
温総理がパキスタンを訪問した目的は、両国が「全天候型友好関係」と呼んでいる関係、つまりは両国が40年ほどにわたって築き上げてきた極めて安定した緊密な友好関係の更なる発展である。
温総理はパキスタンのユスフ・ラザ・ギラニ総理とアースィフ・アリー・ザルダーリ大統領と会見し、会議で意見交換をする貴重な機会を得る事ができた。
パキスタンの外交局のアブド・アル・バシット報道官はフランス通信に対し、中国はパキスタンにおいて36件の開発プロジェクトの協力を拡大し、エネルギー開発やインフラ建設分野などでの協力協定も締結する予定だと発表した。
同通信社によると、温総理はパキスタンに対し、中国が今まで通り支持すると約束するだろうと指摘した。
パキスタンの元国防省長官タラット・マスード氏は「今回の訪問には重要な意味がある。なぜなら、中国はパキスタンをとても重要視していることをアピールしたいと考えているからだ」と述べた。
また彼は「温総理はインドも訪問するが、パキスタンも合わせて訪問する事によってパキスタンに対する指示を表わしている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月15日