2010年、国際情勢は複雑に錯綜し、濃霧に覆われた箇所さえあった。だが主たる情勢は今も明らかだ。つまり時代の変遷の「定量的変化プロセス」が急速に進み、国際パワーバランスに深く歴史的な変化が生じ続けているということだ。雑誌「半月談」が伝えた。
G20は事実上、新興経済国と古株の先進国が対等に対話する場となっている。金融システム改革では、発展途上国が世界銀行の投票権全体の50%近くを握り、国際通貨基金(IMF)でも「BRICs」が出資割当額の14.18%を担い、否決権の行使が可能となる15%に近づいている。経済回復面では、新興経済国が速やかに好転しているのに対し、古株の先進国は成長の力を欠き、発展の勢いの違いが一層明白になっている。大国関係では、英国が日本に続き、米国と「盲従的でない」同盟関係を築く考えを示し、古くからの同盟国のトルコもあまり言うことを聞かなくなり、米国の好まない国々と関係を強化¥し始めている。
米国は依然世界唯一の超大国だが、その指導力は次第に低下し、すでに本来の意味での「ボス」ではなくなっている。ミッテラン元仏大統領が述べたように「(現在)東洋は成長、西洋は衰退の過程にある。西洋は憂慮に、東洋は希望に溢れている」のである。この言葉は現代における2つの異なる世界の最良の描写だ。
■頽勢の挽回を図る米国