米誌:「中国民族主義の米国敵視」は事実ではない

米誌:「中国民族主義の米国敵視」は事実ではない。

タグ: 民族主義 米国 敵視

発信時間: 2010-12-17 15:46:09 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

12月8日、米『フォーブス』誌のサイトに「民族主義と西洋化、世界における中国の位置は?」(著者:王海倫)というタイトルの記事が掲載された。

英『エコノミスト』誌最新号に、14面に渡る特別報道が掲載された。タイトルは「中国の世界における位置」である。

ある論評によれば、中国で日増しに激化する民族主義は、米国勢力への脅威となり、全世界の安定を破壊する可能性があるという。この特別報道でも、中国の多くの学者が米国との協力関係について非現実的なものと考えていると指摘している。私は、この『エコノミスト』に掲載された文章の根拠と正確性を疑いたくない。それは私が定期的に購読している最も優秀な出版物の一つであり、理性的かつ偏りのない観点を持っているからだ。

しかし、私は新書『中国の夢』執筆の際、中国全土を回り、何百何千人と話をした。中には企業家、学生、政府官吏、商売人、ホワイトカラー、農民工、学者等あらゆる人が含まれていたが、誰一人として米国を敵視していると語った者はなかった。

実際には、私が出会った多くの人が米国を手本にし、その制度を称賛している。中国の若いエリートたちはみな米国の大学へ留学し造詣を深めることを渇望している。米国人は中国において大変尊重されている。シリコンバレーにある会社の弁護士から中国で受けた素晴らしい待遇に驚いたと聞いたことがある。彼はこう言った。「だから私は中国へ行くのが好きだ。みんな優しくしてくれる。だが、彼らはその他の中国人に対しては少しぞんざいな感じだ。」

中国の若者の間に民族主義的傾向があることは間違いない。しかし、私が思うに、中国の「憤青(怒れる若者)」による民族主義的言論は自発的なものではなく、受け身的なものだと言えよう。2009年に米ブルッキングス研究所が「中国の憤青を理解、今後の行方について」というテーマでグループ討論を行っている。グループメンバーは中国の民族主義に対する憂慮は、行き過ぎたものであるとの考えに至った。

逆に、多くの中国人はだんだん西洋化している。米国におけるグローバル化についての討論はいつも、海外アウトソーシングや米国の競争力の衰えといった話題が多い。しかし、私が中国を旅行した時の見聞によれば、中国におけるグローバル化とは、まさに西洋化であり、更に正確に言えば、米国化を指している。

私の知る多くの若者はみな英語名を持っており、自身の西洋化を誇りに感じている。コカコーラはすでに僻地の村落に知れ渡り、ケンタッキーは若者や子どもたちに人気のファーストフードになった。ビル・ゲイツに憧れる中国の若者は米国のそれよりずっと多い。『Friends』や『Sex and the City』等の洋画も人気が高い。若者の過ごすクリスマスは春節より盛大である。それは彼らがクリスチャンだからではなく、それが西洋の伝統行事であり、中国人にとっての流行の最先端だからである。

中国が米国の脅威になる――その前提は米国が中国を脅威として捉えることにある。この2国間には深い誤解が存在する。中国は自身の台頭を米国が阻止しようとしているのではと疑い、その色眼鏡で米国の行動を理解している。米国は中国の民族主義を恐れ、それが世界の支配権を狙いつつ日増しに拡大していく勢力であると見ている。このような誤解が、いずれは自己実現の予言となり、世界に動揺をもたらす根源になるかもしれない。

しかし、状況は変えられる。それも、まさに『エコノミスト』の同文に書かれていたのだが、中国と米国は多くの共通点を持っている。両者ともグローバル化から利益を得、お互いの市場を必要としている。そして、お互いの協力によって共に問題を解決し更に多くの利益を得ることができる。両国が敵視し合うことは、中国の利益にも、米国の利益にも適合しないのだ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年12月17日

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