■ロシア大使「安保理は容認せずとのシグナルを」
国連安保理はロシアの呼びかけで19日に緊急会合を開き、緊張の度を深める朝鮮半島情勢について議論した。ロシアのチュルキン国連大使は18日午後、朝鮮半島の緊張がさらにエスカレートする可能性への「深い憂慮」を表明し、その理由として朝鮮半島情勢がロシアの安全保障に直接影響することを指摘。「朝鮮半島情勢について安保理は朝韓双方に対して、『緊張の継続は容認できない』とのシグナルを発すべきだ」と表明した。チュルキン大使は同日午前、今月の安保理議長国である米国の代表団に書簡を送った。米側は提案は拒絶したものの、19日に緊急会合については同意し、関係各国にその意思を伝えたという。
朝鮮半島情勢の推移にとって安保理での協議結果は極めて重要だ。米ニューメキシコ州のリチャードソン知事は18日夜、訪問先の朝鮮で声明を発表し「国連安保理が自制と敵対的な軍事行動の防止、平和的手段による紛争解決を関係各国に呼びかける力強い決議を採択することを希望する」と表明した。
韓国聯合ニュースは、延坪島射撃訓練について中国とロシアが懸念を表明し、韓国側に自制を促したと報じた。また「安保理緊急会合が合意にいたり、韓国と朝鮮に自制を促した場合、韓国政府が緊張緩和の視点に立って射撃訓練の時期を調整するかどうかはまだ不透明だ」としている。
■国際社会は緊張緩和を呼びかける
国連、中国、ロシア、米国など関係各者はいずれも、朝鮮半島の緊張緩和と、事態の一層のエスカレートの回避を呼びかけている。潘基文国連事務総長は17日の記者会見で「朝鮮半島情勢を強く注視している。緊張が緩和された後、対話と交流によって、平和・安全確立の道を探ることを希望する」と述べた。
「人民網日本語版」2010年12月20日