ソウル駅で、延坪島周辺での軍事演習の報道を見る韓国市民。
米国の公然たる支持を得て、韓国は延坪島周辺での軍事演習を再度実施する決意を固めた。前週末、朝鮮半島は戦争勃発の危機に瀕し、中ロは無理して韓朝を半歩下がらせた。今後数日間に朝鮮半島で衝突が起きるかどうかは予測困難だ。人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」が伝えた。
もし大規模な衝突が勃発するとしたら、少なくとも政治的には奇怪なことだ。現在のところ南北共に大きな戦略的野心は見えない。朝鮮にも韓国にも、国境を突破するに十分な動機がない。相手国を統一する現実的可能性は全くないからだ。「戦いも辞さない」双方の姿勢はパフォーマンスに見える。そのリスクは、得るものを比べ物にならないほど上回る。だがどちらか一方に緊急ブレーキをかけさせるのも、非常に難しいようだ。
敏感な海域での韓国の軍事演習を支持する米国の姿勢は無責任だ。こうした米国のやり方は韓国を支えるように見えるが、実は韓国を害するものだ。米軍基地は38度線を遠く離れた、朝鮮の砲撃の届かない場所へとっくに移設されているが、多くの韓国民衆も韓国経済も移転はできない。米国経済は朝鮮半島の砲声に耳をふさぐこともできるが、衝突のエスカレートが韓国に与える打撃は破滅的なものになる可能性がある。
動機の観点から分析すると、朝鮮半島の衝突のエスカレードは中ロにとって何一つ利点がない。両国は朝鮮と国境を接しており、災いに巻き込まれたくはないからだ。だが米国は朝鮮半島に一定の緊張が続くことで、「アジア回帰」の合法性を高めることができる。冷戦終結後、南北の接触はいったん本物になりかけたが、米国の「悪の枢軸」説などが緩和の後退を助長してきた。