J-20
しかしこの担当官の見方とは対照的に、他の専門家はJ20に対して平静だ。レキシントン研究院のライアン・トンプソン氏によると、J20の出現と西太平洋への米長距離戦闘機導入阻止とは関連性があるが、J20は前方に非常に小型のレーダー断面積があるだけで、米海軍のF/A-18EおよびF/A-18Fスーパーホーネットと少し似ている。正面のステルス性は強いが、両側のステルス性は弱い設計も長距離水上艦艇或いは近隣国を攻撃する設計意図と一致する。J20はF22と同じ制空権争奪を目的とした戦闘機ではないかとトンプソン氏は考える。もしJ20が長距離の海上攻撃機だとしたらF22と同じ戦闘機よりも心配だという。また、別のアナリストは、J20は適当に組み立てただけの「海賊版」に過ぎないとの見方を示す。中国にはシステム集積の技巧や本物の第5世代機を開発する技術はないとし、特にエンジンで大きな困難を抱えていると指摘する。「米国は或いは中国の航空機を高く評価し過ぎている。冷戦時代に米空軍がMiG-25を高く評価し過ぎていたように」。
米国国内でJ20に対して意見が分かれていることについて、中国の軍事専門家は、米軍事当局はこれを機にF22生産ラインの再開をもくろんでいる可能性があるとみる。エアフォース・タイムスの報道でも米空軍情報官は、J20の出現で慎重な政策決定者らがF22の生産ラインを閉鎖する決定を考え直すだろうとしている。ロッキード・マーティン社のF22プロジェクトの総経理は、最後のF22となる、現在コード4095の第187号機の製造に取り掛かっていることを明らかにした。同社はこの製造を終えた後も、生産ラインや技術資料を保存し、生産ライン再開の準備を十分に整えておくという。米空軍情報官は最後に、「J20は5~7年後に導入されるだろうが、その時にはF22は15歳の高齢になっており、米国はその後継者を考え初めている頃だろう」と鼓吹することも忘れなかった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年2月18日