日本でマグニチュード9.0の地震と津波が発生後、世界の視線は今、福島第一原子力発電所に注がれている。はらはらするような危険極まる処理を、原子力発電所で作業を続けていた作業員50人は一度避難の指示が出されたが、またすぐに持ち場に戻ってきた。現在、作業員は180人にまで増え、命の危険を冒して作業を続けている。そうした姿に心を動かされない人はいないだろう。中国紙「広州日報」が伝えた。
最初に作業員50人が着用していた作業服やヘルメットは原発内の高い放射線量を防護し得るものではなかった。にもかかわらず、人々が危険にさらされるのを防ぐため、命の危険を冒して作業を続け、「最後のとりでの50人」とメディアで報道。中にはボランティアもいるという。その後、原発作業員は180人にまで増えた。コロンビア大学放射線研究センターのブレンナー教授は「彼らはかなり高い濃度の放射能汚染を受けることになる」とし「本当の英雄だ」と称えた。
余りにも無情な災害という逆境の中で照らし出される人間性が、私たちに生きる力を、生活の希望をもたらしてくれる。そうした人間性は、困難な時にこそ輝きを増すものだ。「デイ・アフター・トゥモロー」や「アルマゲドン」、「タイタニック」、「2012」などの自然災害系の映画では常に、たとえどんな災害に遭遇しようと、そこに耀く人間性、人間の気高さ、人々の粘り強さが描かれている。
現実の中でも、地震、火山、洪水、ハリケーン、津波、不治の病などさまざまな予期せぬ災難に見舞われるが、その中で感じる人の温かさが、悲痛の中にある人々を絶望の淵から救ってくれる。2004年にインド洋で発生した津波で、10メートルの津波に立ち向かい、3人のわが子を救ったカリン・スバルドさんの勇敢な姿は印象深かった。四川大地震でも、わが身を犠牲にして生徒を救った教師、廃墟の中を駆け回ったボランティア、涙で声を詰まらせながら中継する実況アナウンサーなど数々の感動的な場面があった。ある意味、わが身を犠牲にして危険に立ち向かう精神、困難や災難の中で見られる忍耐や人間性は、災害よりも人の心を震わせるものだ。
人類は自然災害の前では脆いものだが、生き生きとした人間性は、困難に立ち向かう勇気を与えてくれる。福島原発で作業を続けている180人の作業員に注目が集まっているが、彼らの行動こそ、偉大な人間性のあらわれだ。この180人は命を賭して困難に立ち向かう生命の壮絶さをみせてくれた。ほんの少しでも可能性があれば、できる限りの努力をする勇敢な行動をみせてくれた。
彼らのこうした、人々の安全を守るための献身の精神と勇敢な行動は、まさにすばらしい人間性と深い愛情を体現している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月17日