国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は28日、日本の福島第1原発に関する最新の動きを加盟国に報告した。天野事務局長は「国際社会は福島第1原発の危機から教訓を汲み取るとともに、これを基礎に一層の原子力安全策を講じるべきだ」と指摘し、原子力の安全に関するハイレベル会合の開催を呼びかけた。「中国新聞網」が伝えた。
天野氏は「福島原発はまだ危機を脱しておらず、原子炉を安定させるにはまだ時間がかかる。原発周辺や離れた場所の環境、水、食品から基準値を超える放射線量が検出されていることに懸念を覚える。IAEAは日本を支えるため、放射線測定チームの派遣、国連食糧農業機関(FAO)との合同食品安全評価チームの派遣を含む、あらゆる努力を尽くしている。国際社会はこの問題に注目すると同時に、原子力の安全分野で将来講じるべき措置の検討に入るべきだ」と述べた。
また「福島の危機はIAEAおよび国際社会に大きな試練を突きつけた。国際社会は3月11日以降の事態から正しい教訓を汲み取り、世界の原子力の安全を強化すべきだ。これは極めて重要なことだ」と指摘。夏前にウィーンで原子力の安全に関するハイレベル会合を開催することを呼びかけた。
また、ハイレベル会合について「福島の核危機の影響と結果について初歩的な評価を行い、教訓を汲み取るとともに、世界の原子力の安全および原子力事故への緊急対応メカニズムの強化に向けたプロセスを始動すべきだ」と述べた。
「人民網日本語版」2011年3月29日