胡錦涛国家主席は30日午後、国際通貨体制改革シンポジウムに出席するため訪中したサルコジ仏大統領と人民大会堂で会談した。
胡主席は「中仏関係は過去1年間に新たな進展を遂げた。両国首脳は中仏包括的戦略パートナーシップの構築について重要な合意にいたり、中仏関係を新たな発展段階へと押し上げた。今年は中仏関係の発展にとって重要な年だ。双方はハイレベルおよび各レベルの交流の流れを維持し、対話やコミュニケーションを強化し、戦略的相互信頼を深め、互いの重大な関心事を尊重し、配慮すべきだ。また、経済、航空、宇宙など伝統的分野での協力を深め、新エネルギー、新材料、循環型経済など新興産業の協力の開拓に力を入れるべきだ。特に原子力の安全分野の協力で、双方向投資を拡大し、協力水準を高めるべきだ」と述べた。
リビア情勢について胡主席は「最近、国際社会はリビア情勢に強く注目し、中国も深い懸念を表明している。安保理がリビア情勢に関する決議を採択したのは、暴力を止めさせ、市民を守ることが目的だ。軍事行動によって無辜の市民に災いが及び、さらに深刻な人道上の危機がもたらされるとしたら、安保理決議の本旨に反する」と指摘。「われわれは一貫して各国の独立、主権、統一、領土保全の尊重を訴え、国際問題における武力行使には賛成せずにいる。武力は問題を解決できずにさらに複雑化させるだけで、対話など平和的手段こそが問題の最終的な解決への道であることは、歴史上繰り返し証明されている」と述べた。
胡主席は「最近いくつかの国や地域機構がリビア危機の解決に向けて建設的な主張や提言を相次いで行っていることに、われわれは注意している。こうした主張や提言に前向きに応じ、平和にチャンスを与えるべきだ。これは各方面の共通の利益に合致する。中国はリビア情勢の緊張緩和に寄与する全ての政治的努力を支持する。関係各方面に対し、即時停戦し、平和的解決を模索し、市民にさらなる死傷者が出ないようにし、リビア情勢の早期回復・安定を図るよう呼びかける」と述べた。
20カ国・地域(G20)首脳会議については「フランスによるカンヌでのG20首脳会議開催を支持する。フランスや他の構成国の意思疎通や協調の強化を希望する」と表明した。
サルコジ大統領は「フランスは中国との友好協力関係の発展を非常に重視している。仏中両国民の友情は終始不変だ。近年来、中国が安定した経済成長を遂げ、国力を不断に高め、世界に不可欠な重要なパワーとなったことを、フランスは喜ばしく思っている。胡主席は昨年、国賓としての訪仏を成功させた。今年は仏中関係にとって非常に重要だ。双方は引き続き両国関係発展の良好な基調を保ち、ハイレベル相互訪問や各分野の交流・協力を強化していくべきだ。国際通貨体制改革で中国側との意思疎通の継続を望んでいる。胡主席のG20首脳会議出席に期待している」と述べた。また「フランスもリビア危機の政治的、外交的解決を望んでいる」と表明した。
「人民網日本語版」2011年3月31日