温家宝総理(中共中央政治局常務委員)が3月25日の第4回廉潔政治工作会議で行った演説の骨子は次の通り。
■「反腐倡廉」(腐敗に反対し清廉を唱える)の取り組みにおける2010年度の新たな進展
2010年度に各級政府は反腐倡廉に関する中央政府の決定と計画を全面的に貫徹し、紀律・法律違反の処分、制度整備の強化、大衆の利益を損なう突出した問題の解決に重点を置き、廉潔政治作りと腐敗対策の推進に力を入れ、新たな進展を得た。
第1に、重大案件の処分を断固として進めた。指導幹部による紀律・法律違反の処分への取り組みを強化。康日新、李堂堂、許宗衡、張春江などの重大案件を厳しく処分したほか、現在は劉志軍による深刻な紀律違反の疑いについて調査を進めている。計13万9600件を立件し、14万6000人を党・行政紀律処分にし、うち5373人を犯罪容疑で司法機関に移送した。
第2に、反腐倡廉制度建設を深いレベルで推し進めた。
第3に、中央の重大な決定と計画の実施状況に関する監督検査と資金監査を強化した。四川大地震、青海地震、舟曲土石流災害後の救援・復興資金およびプロジェクトに対する監察と監査を行った。
第4に、大衆の利益を損なう突出した問題の解決に力を入れた。
第5に、行政支出の圧縮に力を入れた。
だがわれわれは、現在の反腐倡廉の取り組みと人民大衆の期待との間に大きな隔たりがあることにも冷静に目を向けなければならない。腐敗はいくつかの分野で依然頻発しており、極めて深刻で、極めて悪い影響をおよぼす案件もある。汚職・堕落、形式主義、贅沢・浪費などは何度禁止してもなくならない。こうした問題が生じる根本的な原因は制度や仕組みの不備にある。現行の制度は徹底的に執行されず、監督はしっかりと行われず、力不足であり、権力を制約するには不十分だ。こうした状況は、反腐倡廉が依然厳しい状況にあり、極めて困難な任務であることを示している。
■反腐倡廉、2011年度の政府の取り組みの重点