資料写真:オーストラリアを訪問する李克強副総理を迎えるギラード首相(2009年10月29日)
オーストラリアのギラード首相が25日、中国を訪問した。先に日本と韓国に訪問した際、ギラード首相は日韓との軍事協力関係の発展とともに、米国の東アジアにおける重要性を強調した。日韓を抱き込んで中国を抑制するねらいがあるものとみられる。環球時報が伝えた。
日刊紙オーストラリアンは23日、「首相、アジアでの米国の存在感強化を呼びかけ」との見出しで、ギラード首相が日本の菅直人首相と会談した際、中国の発展を前に、「アジア太平洋地域における米国の政治参加を強めることがこの地域の安全にとって重要になる」とし、「アジア太平洋地域の安定と安全は米国の役割、協力と平和を促進する正しい地域構造によって決まる」と指摘したと伝えた。中国の軍事費が年々増加していることで、周辺の日本や韓国は「不安」になり、中国「拡張」に対する懸念を深めているとした上で、ギラード首相は米国やロシアが今年の東アジアサミットに参加するべきだと主張し、前回の米国訪問の際、オバマ米大統領に「注意をアジア太平洋地域に移し」、同地域により多くの軍事力を割くよう要請したという。
一方、シドニー・モーニング・ヘラルド紙は22日、「ギラード首相の防衛談話に中国への緊張拡大」との見出しで、ギラード首相が日本で豪日の安全保障協力の持続的推進と、韓国との関係強化を示し、中国が米国や周辺国のセーフティーネットを犯すのではないかと不安を駆り立てていることがうかがえると伝えた。ブリスベン・タイムズは24日、ギラード首相が日本や韓国と防衛関係を促した情報を北京は見逃せないとし、中国は、米国を中心に豪日韓が「アジア版の北大西洋条約機構」になることを恐れている。中日韓はいずれもオーストラリアの重要な外交・貿易相手であるが、今回の訪問順序は正しいと伝えた。ここ数年の「中国熱」を背景に、オーストラリア政府はかつての盟友である日本や韓国との関係が希薄化していたことから、今回の訪問でうまく東アジア各国とバランスをとった形となった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月25日