現在、ユビキタスな通信ネットワーク、次々に新製品の出る家電やパソコン、目の眩むようなテレビや映画によって、生活は豊かになり、多様化し、複雑で変化に富むものとなっている。人類の全体的な生活水準は日増しに高まっているが、その分布格差も日増しに拡大している。生命科学の進歩によって全体的な平均寿命は延びているが、各個人の感じる不幸や実質的な苦痛も増加している。人々はより速く移動し、より遠くと通信し、より多くを目にし、移動の幅もより広くなり、全身に機械を身につけるようになったが、精神面では失うものがあったようだ。欲望が理想を呑み込み、急な変化が信念を動揺させている。現在西側社会は「モダン社会」から「ポストモダン社会」への移行過程にあり、「神の死」によって信仰の迷いと精神の焦慮が生じている。中国は現在現代化の過程にあるが、「崇高からの遠離」「信奉の喪失」という精神現象も生じている。社会がどう発展しようとも、経済がどう繁栄しようとも、崇高な理想と信念の追求を放棄すれば、みな浮わついて落ち着きをなくし、進取の精神を失い、いらいらして心が乱れ、何をすべきかわからなくなり、社会の安定・調和が難しくなる。これではどうやって協調的な発展を持続できるだろうか。
民は信なくば立たず。中国共産党の最大の不動の力は、人民を信じさせ、人民を立たせたことである。これは過去90年間ですでに確実に証明されている。
「人民網日本語版」2011年5月9日