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人民解放軍の航空母艦を含む大型艦に対抗するため、台湾軍は「空母キラー」といわれる超音速対艦ミサイル「雄風3型」の大量配備を進めている。同ミサイルはひとまず戦艦15隻に装着し、将来的には海岸に「雄風3型」発射装置を設置する予定。台湾紙「聯合報」が伝えた。
国民党「立法委員会」の林郁方氏によれば、雄風3型ミサイルと大陸沿海を攻撃する「雄風2E型」ミサイルの大量生産は、馬政権が兵力で対抗しようとしていることを表している。馬総統は台湾海軍に、最強の戦力を誇るキッド級駆逐艦(9000トン)への雄風3型ミサイル装着を検討するよう指示した。しかし、「依然として最も有力な武器は潜水艦」だと林氏は強調し、(潜水艦保有は)いくら困難でも努力を続けなければならないとした。
国民党の政策委員で台湾軍退役中将の蘭寧利氏も、水面下の兵力建設を主張する。「米軍でさえ次世代ディーゼル潜水艦を嫌っている。人民解放軍の対艦能力など米軍には遠く及ばない。しかし、空母で攻撃を仕掛けられると通常目標まで250海里以上あるため、海岸に配備した雄風3型ミサイルは届かない」と語る。
冷戦時代に旧ソ連海軍が劣勢な中、一発命中すれば大きな被害が出る、長距離超音速ミサイルの開発に力を入れた例をあげ、人民解放軍の空母など大型艦に対して雄風3型ミサイルはそれでも役に立つと台湾の専門家は話す。
雄風3型ミサイルは07年に初めて公開。大量生産に入ると、第一段階で120発が製造され、台湾海軍は成功級フリゲート(4000トン級)8隻、錦江級巡視艦(500トン級)7隻に各4発ずつ同ミサイルを装着した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月11日