人民解放軍の陳炳徳総参謀長が15日、米国訪問に出発した。総参謀長の訪米は7年ぶり。中国の軍事専門家、楊毅氏によると、中米関係の発展方向はすでに双方の範疇を超え、アジア太平洋地域の安全保障、安定、繁栄に直接関係し、世界全体の戦略動向に予測できない影響を与える。
中国の経済力の持続的増強および軍事の近代化加速により米国は中国の軍事力の増強、軍事力をいかに使うかという戦略的意図に注目するようになっている。「アジア復帰」を目指す米国は中国に対抗する着実な計画を進めているが、中国の軍事近代化の透明性が欠けることを理由に、中国を脅威と見なすのは不公正で、中米両軍が良好な関係を築くのにも不利になる。互いを警戒し合う悪循環は、安全を苦境に陥れる。このため、両軍間の戦略的意思疎通をいかに維持するかが非常に重要になってくる。
台湾問題は今後も中米関係、特に両軍関係が安定した発展をするのに、最大かつ最も危険な障碍になるのに必至だ。交流の起伏は両軍関係の安定的発展に害となる。こうした現象を断つためにも、米国が台湾問題において中国人民をいじめたり、傷つけたりしないことだ。中米両軍の関係混乱を防止するカギは米国の手中にある。
中国人民の根本利益と地域及び世界の平和のために、中国は米国と健全かつ安定した両軍関係の維持を希望しているが、国家の核心的利益の問題を前に「屈辱に耐える」ことはしない。米国政府、特に米軍のトップは中米両軍の関係を妨げるような行動を取らないことだ。
同時に、中米両軍は胸襟を開き、従来なかった脅威に対抗するために協力を強化し、地域の安全保障、安定、繁栄を守る活動のほか、両国海軍は海上輸送経路の安全を守り、海賊、密輸、麻薬密売など国際犯罪の撲滅において協力していくことができる。
陳総参謀長の今回の訪米が成功すれば、中米両軍関係の良好な交流が促進され、中米の総体的な関係およびアジア太平洋地域の安全保障に重大な影響を及ぼすとみられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月16日