東日本大震災の津波で海水に浸かったF2戦闘機18機。廃棄処分されるとばかり思っていたが、日本の防衛省は修理後、使用が可能だと判断した。自衛隊は巨額の修理費をかけて水没した戦闘機の修理に取り掛かろうとしている。
戦闘機は高度な軍事兵器であるため、複雑な航空電子システムと武器システムが浸水すれば、戦闘機の安全性に問題が生じる。では、今回の戦闘機の修理はどれくらい難しいのか?修理した後、戦闘機の技術の安定性は確保できるのか?といった問題について、空軍装備の専門家で空軍指揮学院教授の陳洪氏に聞いた。
◆F2の作戦性能、著しくダウン
――自衛隊は4月17日からすでに一部のF2の修理を始めているが、戦闘機が海水に浸かると、どういった被害が出る可能性があるか?
航空機は一般的に▽航空機の機体、▽エンジンシステム、▽航空電子システムや射撃管制装置、レーダーシステム、コンピュータメーターシステムなどの搭載システム――といった3つの部分で構成される。大震災の津波で海水に浸かったF2戦闘機のこの3つのシステムの被害は非常に大きいものだと考えられる。まず、機体は津波で壁にぶつかったり、航空機同士でぶつかり、航空灯や垂直尾翼が壊れてしまった。次にエンジンは、津波が来た後、海水が航空機のエンジンシステムに入って尾灯管から出ていき、エンジン全体が海水に浸かりました。さらに深刻なのは、一部の航空機は機密性が悪く、海水が操縦席に入り、航空電子システム、射撃管制装置、コンピュータシステムやメーターまで壊してしまった可能性があることだ。
こうしたことから、航空機全体のコントロールシステムに対する破壊はすさまじく、F2の作戦性能は著しくダウンしたか、戦闘力をほぼ失ってしまったといえる。
◆F2戦闘機の修理、安全性確保が困難