内閣不信任決議案を提出する際は、正当な理由の他に、タイミングを見極めることも必要だ。これまで内閣不信任決議案は国会会期末に提出されるのが常だったが、今回野党は待ちきれず、会期中の提出を決定した。現在が好機と判断した理由としては、第1に原発事故への対応のミスに関する情報が最近次々に暴露され、数々の世論調査で政府の対応への国民の不満が示されたこと、第2に与党内にも現内閣に不満を抱く議員がおり、採決において寝返りを期待できることがある。衆院の自民党の議席は118議席に過ぎず、公明党など野党を加えても、過半数には達しない。民主党から80人ほどの議員が寝返って初めて、内閣不信任決議案の可決が可能になる。
与野党は共に票読みをし、かつ票を奪い合っている。小沢氏は連日多くの議員と会い、対策を協議している。民主党幹部も最近、採決で欠席または賛成票を投じた議員は除名処分にする方針を繰り返し表明している。閣僚らは31日、不信任案賛成の動きを牽制するため党内団結を強化するよう呼びかけた。
日本メディアは、内閣不信任決議案が可決されようとされまいと、民主党内に分裂が生じ、政局が一層混乱する可能性を指摘している。地震発生以来、世論は与野党が協力して難局を乗り越えることを期待している。現在喫緊の課題はいかにして原発事故の早期収束を図り、仮設住宅の早期完成を図り、頭脳を集結して復興ビジョンの早期策定を図るかだ。政局争いのために震災救援と復興を誤ることがあれば、「政界地震」は「複合災害」に転じるだろう。
「人民網日本語版」2011年6月1日