文=コラムニスト・陳言
資料写真:東電に「賠償しよう」と求める茨城県の人々
原発事故から2カ月以上経過した5月31日、東京電力は日本の農業や漁業関係者に対し賠償金の仮払いを始めた。日本の周辺国の漁業への影響をどう評価するか、東電と日本政府が周辺諸国にどう説明するかに、国際社会から注目が集まっている。
◆1人あたり3カ月70万円の計算方法
東電が茨城県の漁業者にいくらの賠償金を支払ったのかまだ明らかになっていない。関係者によると、漁業団体が東電に要求した賠償金額の一部がすでに銀行口座に振り込まれたという。
茨城県内の漁業協同組合(計20)が加盟する茨城沿海地区漁業協同組合連合会(水戸市)は先月18日、東電に損害賠償請求書を提出、漁業関係者計620人の3月分の休業補償として4億2500万円の賠償を請求した。
この計算方法だと、漁業関係者1人当たり3カ月の被害額は70万円となる。このなかには魚やカニの小売業者も含まれており、一部の小売業者は魚とカニを専門に販売しているわけではないため、損害賠償も漁業者ほど太くはない。
「今回の損害賠償請求書には今年4月以降、海産物の売れ行きが風評被害によって落ちたことへの損害額は含まれていない」と同連合会の小野勲副会長は強調した。その損失額がどれくらいになるかは今後細かく計算し、東電に請求するという。
法治国家の日本では、いいかげんな賠償請求はできない。賠償請求時には通常、海産物の捕獲量、魚の価格、経費(漁船、売子の給与など)のほか、損害率、年間利息、損害期間などを考慮しなければならない。
◆東電と日本政府の賠償責任