ゲーツ米国防長官は4日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で、「米国のアジアに対する約束に変わりはない。アジア太平洋国家の一員として、ここには米国の核心的利益がある」と述べ、アジアの最大の課題は有効な多国間協力機関がないことだとの見方を示した。一方、同盟の核心は米国が前方の全経費を負担しないことだとも強調した。環球時報が伝えた。
◆前方の全経費を負担しない
ゲーツ国防長官はアジアにおける米国の軍事力を楽観視したものの、安全保障については同盟国がどれだけの経費を負担するのかなど、アジアの同盟国には疑問が残った。韓国の代表は直接ゲーツ長官にこの問題をぶつけた。ゲーツ長官はこれに対し、「同盟の核心は米国が前方配備のすべての経費を負担しないことだ。米国は韓国、日本、ドイツなどどの同盟国にもこうした方針をとるつもりだ。不景気で米議会は国防予算問題の真剣かつ慎重な処理を迫られている。世界各地における米国の軍事的存在は米国と被駐留国のいずれにも公平で、米国国民の利益に適合しなければならない」と語った。
◆A2ADに対抗する米国の秘密計画
同盟国は米国の「立入阻害/区域拒否」(A2AD)の能力について関心を持っているが、米国はこれをいかに確保するのかと日本の代表が質問。ゲーツ国防長官は「A2ADはアジアだけでなく、その他の地域でも米国は苦労している。例えば、中東では非国家主体がこうした能力をつけ対艦ミサイルを使って、米軍は近づくことができない。米国は現在、米軍のこうした方面の能力を向上するため、秘密裏にある計画を進めている。その能力向上のための資金が保護されると信じている」と答えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月7日