国内外の新たな情勢、新たな試練を前に、発展と変革の過程にある世界第2の経済大国は、間違いなく数多くの難題を抱えている。貧富の格差、深刻な水不足、動力不足、不動産価格高騰、食品の安全管理上の欠陥、不平等の拡大。これらはいずれも気をつけなければ安定を脅かす深刻な問題につながる恐れがある。世界の政治評論家は中共指導部が社会保障の強化を頻繁に指示し、最近では社会管理の革新によって不安定要素を取り除くよう何度も強調していることに注目している。
国際世論は民生改善分野での中国の進展に等しく注目している。都市と農村の壁を打破し、新立ち退き条例の制定において幅広く民意を募り、中低所得者向け住宅の建設を全面的に加速し、雇用を増やし、給与水準を上げた。ワシントン・ポスト紙は「中共の正しい政策は新富裕層とホワイトカラーから支持されている」と指摘。ニューヨーク・タイムズ紙も「国際的基準から判断しても、中国人は自らの生活に満足している」と指摘している。ファンフル元在中国スペイン大使館商務参事官は「中国のエリートと話すと、彼らがなぜみな中国の政治制度と中国共産党の地位を支持しているのかがわかる。それは中国は数多くの圧力や衝突を抱えていること、そして中共が安定の最大の保障であり、強大な共産党がなければ不安定や混乱の危険性が大幅に増加すること、そしてそのような状態が幸福な生活とはかけ離れたものであるからだ」と指摘する。
「中国には食品安全の問題があるが、他の国々と比べ深刻なわけではない。中国のおもちゃには設計上の問題があるが、これは技術を持つ企業に一定の責任があり、それは多国籍企業であることが多い。中国の国防整備はある程度脅威に映るが、一部の国よりも遥かに軍事費が少ないという視点からも見る必要がある」----。冷静に中国を観察した結果、エバンズ氏はこのように考えている。世界の有識者は、中国を安定の中で発展させることが、中華民族にとっても世界全体にとっても重要であることを熟知している。
「人民網日本語版」2011年6月16日