英紙・ガーディアンは24日、「毛沢東が常にいる:新時代、中国はどう過去に触れるか」という文章を発表した。内容は次の通り。
毛沢東主席を演じる役者・商清瑞さん
商清瑞さんと一緒に記念写真を撮るファン
日差しの照りつける夏の午後、毛沢東と蒋介石が北京の龍潭公園で向き合っていた。壮絶な内戦を繰り広げた彼らだが、その暑さの中で、毛沢東主席は穏やかな視線を彼の宿敵に注いでいた。
と、公園を訪れた市民が足を止め、この中国で最も有名な人物を嬉しそうに取り囲んだ。一緒に記念写真を撮り握手もする。王飛さん(40)は「私たちはテレビで彼を見て、深く印象に残っていたが、今回は実際に目の前で見られた。大変光栄だ」と語った。
当然、王さんが言っている彼とは毛沢東ではない。毛沢東を演じる役者のことだ。商清瑞(シャン・チンルイ)は中国で毛沢東を演じる役者の一人。中国共産党創建90周年を目前に控え、彼もまた数々のイベントに招かれ、慌しい日々を送っている。
中国共産党が祝賀するべきことはたくさんある。1921年、中国共産党は上海・嘉興南湖の小船の上で13人によって創建。今や世界最大、最も影響力のある政党となり、党員数は8000万人にのぼる。
しかしそれでも中国共産党は過去の栄光に対する党員の畏敬が必要だと考える。そのため革命観光、革命歌の合唱会、新作の愛国主義映画の放映などの活動を忙しく行っている。中国共産党創建時の中国の様子を伝える映画「建党偉業」は若者に観てもらおうと多くのスターが出演した。
「歴史が未来に伝える!」とシャンは叫ぶ。彼はある内蒙古で開かれたイベントで毛沢東に扮した。彼のスケジュールには次に、北京の刑務所で囚人の道徳品行を向上する再教育が控えている。そのほか企業主催のイベントにも招かれている。
彼は毛沢東のマネを冗談ではなく、まじめにやっているのだ。テレビドラマで毛沢東に扮するシャンが披露宴に招かれたり、盛大な政府のイベントに参加することもある。
「毛沢東時代は人民のために奉仕する気風があった。今はみな金銭ばかりを重視している。私たちは人民のために奉仕する文化の中で育った。私にはそれを伝える責任がある。そうしないと若者は分別がつかなくなってしまう」とシャンは語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月28日