中国鉄道部の党組織は、寧波-温州(甬温線)線での重大事故の責任として、上海鉄路局の龍京局長、党委員会の李嘉書記、工務・電気設備担当の何勝利副局長を24日午後に解任し、調査を行っていくことを発表した。人民網が伝えた。
同3名が解任されたのは、事故発生後24時間以内のことであった。この異例とも言えるスピードからは、鉄道部が国民からの信頼回復を切実に願っており、死傷者とその家族に対する哀悼の意を表明することで、国民からの理解を求めていることが分かる。ここからはまた、事故原因の究明に向ける関連部門の決意の固さがうかがえる。国民の怒りを静めるためには、責任者を厳罰に処さなければならない。さもなければ、国民の間で怒りが蔓延することは必至だ。
局長の解任は、まさに自業自得であった。 鉄道部は事故発生の4日前(19日)、「広範囲で強風や落雷等の悪天候が続いており、鉄道設備の安全をおびやかしている」と指摘し、「設備故障もしくは事故により、列車のダイヤに乱れが生じた場合、各関連部門は直ちに人員を派遣し、状況把握に努め、合理的な救援・処置プランを作成し、秩序回復を急ぐこと」と求めていた。特に高速車両(動車組)の故障については、普通車両より高い要求を設定し処理するよう各鉄道局に要求していた。書面による指示では不十分であったかもしれないが、事故が発生した以上、責任者が指示を無視していたことは明らかである。また制度の不備や執行の難しさといった、これまでの弊害も明るみに出た形だ。
局長の解任は、国民の信頼回復に向けた第一歩にすぎない。今回の高速鉄道重大事故に関連した責任者は、上述した3名にとどまらないことは自明の理であり、また解任のみで済まされる問題でもない。
当然ながら、責任者の厳罰が最終目的ではない。最大限の努力を尽くして被害者の救助に当たり、積極的に善後策を講じる他に、事故の真相を明らかにする必要がある。鉄道省は、「高速鉄道の事故原因は現在のところ、落雷による設備故障と見られる」としている。国民はこの説明に納得していないが、真の事故原因は一体何か。
責任者の厳罰は必須プロセスに過ぎない。これにより関連部門を戒め、安全性に対する意識を高めることで事故の再発を防ぐことが、根本的な目的である。
「人民網日本語版」2011年7月26日