西側諸国は中国の政治体制を常に批判してきた。だが中国は急速に台頭し、人民の生活は改善され、30数年間にわたり二桁成長を維持している。このような成果は世界でもまれだ。私は1997年4月にスイスの国境近くの小さな都市、サンクト・ガレンで国際問題シンポジウムに出席した。中国に関する問題を討議している時、中国に批判的な発言に対して、あるスペインの若者が「中国政府は良い政府だ。過去20年間に2億5000万人を貧困から脱却させた政府が世界のどこにあるか?こんな巨大な進歩は、人類の歴史上かつてなかった」と反駁した。欧米人は弁が立つのに、誰1人として彼の発言に反論しなかったことは注目に値する。事実は事実。スペインの若者が述べたのは事実であり、反論のしようがなかったのだ。
もちろん、中国は台頭の過程で多くの厳しい試練や問題に直面している。われわれは中国の実情に立脚し、人類文明の新しい成果を参考にして、試練に対処することを望んでいる。だが西側のモデルをそのまま用いることはない。他の国々で生じた深刻な問題は、中国では繰り返しただけで何倍にも拡大してしまう。
リー氏の文章はもう1つの啓示を与えてくれる。事実の対比を用いて話すのが最も説得力があるということだ。事実を並べれば、誰も否定できない。われわれが世界に中国を紹介するとき、対比の手法は役に立つ。私自身も外国人とのつきあいで、この手法をよく用いる。
世界はいま深いレベルで変化し、様々な声の併存を受け入れるようになってきている。実際、全世界が再考の過程にある。私は西側世界で20数年間生活した。西側には中国に対して偏見を抱く人が少なからずおり、取り除くことの難しい偏見が少なからずあることも事実だ。だが多くの庶民は情理をわきまえており、われわれが道理を明らかにし、事実に基づき説明すれば、最後には本当の中国を見てもらえるのだ。
「人民網日本語版」2011年7月27日