中国の楊潔チ外交部長はインドネシア・バリ島でASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議に出席した後、国内外のメディアによる共同インタビューに応じた。要旨は以下の通り。(人民日報海外版)
中国は一貫して南中国海の航行の自由と安全の維持に尽力している。中国とASEAN諸国には南中国海問題を解決する知恵と能力がある。中国とASEANは「南中国海における各国の行動宣言」実行の指針についてすでに合意した。苦労して合意した指針であり、重大な意義を持つ。
今回非常に重要なのは、高級事務レベル協議で双方が行動宣言実行の指針について合意できたことだ。この指針はすでに何年も話し合われてきたもので、今回の合意に各国は大きく勇気づけられている。行動宣言は過去数年来、地域全体の平和・安定・発展の促進、島嶼の帰属に関する係争の解決促進、関係海域の境界画定の促進に重要な役割を発揮してきた。
中国側はすでに行動宣言の実行について積極的な提言を数多くしている。関係各国は実務協力に力を入れ、さらに相互信頼を強化すべきだ。「宣言」も「指針」も、係争は当事国の友好的交渉・協議によって解決すべきとの考えを明確に打ち出している。他の国々はこうした協議・交渉を支持すべきだ。各国はみなこの約束を遵守し、宣言と指針に沿って事を進めるべきだ。喫緊の課題は実務協力の推進だ。中国側はすでに海洋調査や環境保護の分野で積極的な提言を数多くしている。中国にはASEAN諸国のイニシアティブを考慮する考えもある。道は一歩ずつ歩まねばならない。現在中国はこれらのプロジェクトの早期始動を図り、かつ成果を挙げている。もちろん、条件が熟した時には、ASEANと協議して「南中国海における各国の行動規範」を制定することも望んでいる。
南中国海の航行は自由で、航路は安全だ。アジア地域の経済成長は南中国海の航行の自由から切り離せない。航行の自由と南中国海係争はタイプの異なる別の問題だ。この地域の航行の自由は保障されている。保障されていないとしたら、アジアが世界で最も経済が成長している地域であることをどう説明するのか。世界金融危機の際にアジアが世界経済の成長に50%の貢献を果たしたことを、中国が26%の貢献を果たしたことをどう説明するのか。南中国海の航行の自由はどの国も関心を持ち、擁護している。2国間の係争は実際のところ南中国海の航行の自由に影響を与えていない。将来的にも南中国海の航行の自由を妨げることが許されることはないし、許されるべきではない。
中国とASEAN諸国との協力には大きな将来性がある。南中国海とアジア全体の情勢は平和なものだ。共同努力によって引き続きこれが保たれるものと信じている。中国は引き続きアジアの平和・安定・発展に貢献する。今回の話し合いは無駄ではなかった。中国とASEAN諸国との協力には大きな将来性があり、明日は今日よりもすばらしいものになる。中国は他のアジア諸国と手を携えて前進することも望んでいる。
「人民網日本語版」2011年7月27日