「功利主義、利益追求、文化の砂漠」といったレッテルを貼られた都市、温州で23日夜、大規模な救出作業が展開された。その行動がそれまでの温州のイメージを覆した。香港紙・文匯報が26日、伝えた。
まだ物心つかないうちに両親を失った少女、手術室で苦痛に耐え、夫が冷たい遺体安置所に横たわっているのを知らない妻、楽しい家族旅行が生死の別れに・・・・・・。今月23日夜、温州でその信じられない惨事が起き、受け入れ難い冷酷な事実を人々に突きつけた。雷を伴う冷たい雨が降りしきる中、泣き叫ぶ声が辺り一面に響き渡った。
しかしこうした惨劇の中で、「功利主義、利益追求、文化の砂漠」といったレッテルを貼られた都市、温州で大規模な救出作業が展開された。その行動はそれまでの温州のイメージを覆した。
高速鉄道列車追突事故が起きた街はずれにある鹿城区の現場周辺には救援隊が到着する前に、仕事を抜け出したり、週末の休暇を返上した大勢の群衆が自主的に集まり、救出活動に加わった。
温州全域にその波紋は広がり、事故現場から10キロ以上離れた温州の新都市の献血センターにまで無償の献血に訪れた市民で長蛇の列ができ、1時間で列が大通りにまで達した。その日、温州の市民は一晩中救出活動を続けた。
こうした感動は事故の救出現場や長蛇の献血の列だけにとどまらない。事故発生後、温州のボランティアらは救出、負傷者の世話、募金活動などのチームを組織した。
発達した市場経済として知られる温州で繰り広げられている一連の救出作業が、この都市を見直すきっかけになった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年7月27日