中国初の空母進水の知らせはまだ聞かれない。これほど大きな国で、しかもこれほど広い海域と長い海岸線を持つのだから、空母は1隻はもちろん、10隻でも多いとは言えない。(文:人民日報高級記者・丁剛。「環球時報」掲載)
中国は空母を保有すれば南中国海の航行の安全をより良く守り、中国の領海主権と海洋権益をより力強く保護することができる。これは庶民が長いこと待ち望んできたことでもある。
近年、南中国海周辺のある国々はわが国の島嶼の蚕食を加速している。米国も南中国海周辺国と海上軍事演習を度々実施し、緊張を煽っている。中国が空母を保有すれば、少なくとも戦略上、抑止力を強化することができる。
中国軍報道官は「たとえ空母を保有しても、防御的な国防政策を堅持する」と強調している。まさにこの政策ゆえに、われわれは空母を保有するだけでは不十分なのだ。空母の数を増やすと同時に、南中国海の資源開発を加速しなければならない。
南中国海問題の平和的解決のため、中国は早くから「係争棚上げ、共同開発」の原則を打ち出すとともに、これに従って一貫して努力し、行動してきた。だが一部の国々はそうすることを望まず、こそこそと島嶼を不法占拠し、単独開発に拍車をかけている。
現在の南中国海は非常におかしな状態にある。中国は1つの油井も観光事業も開発していないのに、周辺の大小の国々は大々的に開発を行い、多大な利益を得てさえいる。それなのに中国は「不法占拠者」、「南中国海の航行の安全に対する最大の脅威」にされている。