中国けん制は日本と米国の共通の目標となっている。日本は大義名分を振りかざし、虚勢を張るのを得意とする。白書は、日米両国は今後、より幅広い分野における安全保障を推し進め、日米同盟関係を深化していくとしている。米国は今年2月、軍事力と経済力を増強するアジアにより注目し、自衛隊の海外活動を支援していくという軍事戦略を発表。米国がそのグローバル戦略を調整し、日本との軍事関係をより緊密化することを示している。国内の「平和憲法」の制約を取り外し、本国の軍隊を国外に出したい日本にとって、米国の戦略調整は絶好の機会といえる。日本の防衛計画にみられる「動的防衛力」構想は、米軍のアジア太平洋地域における戦略調整にあわせる形で日本が国防転換を果たそうとしていることを反映している。米国の意図もまた、日本が将来、地域の危機干渉の中心的役割を担うことにある。
日本はまた、外部の力を借りて、中国をけん制し、均衡をとる目標を実現したいと願っている。白書は、「東中国海、南中国海などの海域における中国の活動範囲が拡大し、活発化している。今後、中国の海洋活動の範囲は拡大し、頻繁な活動が常態化するだろう」と指摘。中国と東南アジア諸国連合( ASEAN)諸国の一部が対立する南中国海問題についても詳しく言及、中国の対応をみると、周辺諸国と利害が対立する問題をめぐり、高圧的な対応を示しているとして、「脅威」と「懸念」を示した。南中国海を巡る対立は国と国の双方の問題であって、日本や米国に何の関係があるのか?日本が日米同盟を基に、ASEANと協力して「対中包囲網」を築こうとしているのは明らかだ。
中日関係が緊張しても、中国政府は双方の関係安定に尽力してきた。日本が前代未聞の大災害に遭遇し、数々の災難に見舞われ困っている時に、中国は日本の被災者へのお見舞い、祝福を伝え、積極的に関係修復への誠意と善意を示した。温家宝総理は第4回中日韓首脳会談が東京で行われた際に、日本の被災地を訪れ、被災者を見舞い、日本側に必要な支援を提供すると約束した。日本政府が中国国民の善意と誠意を十分に理解、両国の理解と信頼を増強し、中日関係がさらに改善するよう共に努力することで、中日両国に大きなプラスとなることを希望する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月5日