英国の空母「アーク・ロイヤル」
中国が英国の空母「アーク・ロイヤル」購入の準備を進めている。「空母を移動カジノに改造する」というのは名目で、空母の設計を研究し、その技術を得るのが本当の目的だろうと、日本の英字誌「ザ・ディプロマット」(電子版)が4日、伝えた。
この数十年、空母はずっと大国の統治・地位の象徴だった。空母を保有する国は数千マイル先の敵に攻撃を仕掛け、莫大な被害を与えることができた。しかし、建造には数十億ドルかかり、そのメンテナンスやグレードアップにも数十億ドルという膨大な費用がかかる。英国の空母「アーク・ロイヤル」が退役し、売却されるという報道がその現実を体現している。
昨年、英国の国防支出は8%削減、老朽化しているが、依然使用可能な空母が削減計画の対象となった。現在の財政緊縮と経済の不景気な状況下にあって、英空母の退役は欧州各国の節約の一例にすぎない。
そんな中、中国の商人が「アーク・ロイヤル」を「移動カジノ」にするため競売に参加したといううわさが持ち上がった。ここに大きな象徴的意義がある。中国の経済発展と英国の国際外交の頂点からの衰微という事実を反映している。ただ、空母をカジノに改造するというニュースは以前にも聞いたことがある。中国が退役空母を購入してカジノにすると称し、研究するのは何も新鮮なことではない。中国が近い将来、独自の空母を配備しようとしていることは、すでに広く注目され、この点は中国側も最近認めた。
中国の海軍建設と対艦弾道ミサイル技術の研究が進む中、ワシントンが中国からの入札参加を拒否するようロンドンに要求するのではないかと人々は好奇心をもって見守っている。空母は売却前にレーダーや先進電子設備などはすべて撤去される。中国が購入後に得られる知識は限られているが、それでも中国は空母の旧式設計に関して理解し、その設計原理を知ることができる。
「アーク・ロイヤル」の売却はまだ確定していないが、中国が空母を購入し、軍部に渡った過去の記録を見ても、その動機は明らかだ。米英は現在軍の財政削減を行っているため、中国の「カジノ」戦略は客観的にコストに見合った効果が得られるだろう。