香港の文匯報は5日、日本政府が2日発表した2011年版「防衛白書」は、故意に「中国脅威論」を誇張しており、留意すべきは、日本側がまた中国の非軍事的、かつ平和な科学技術の発展について騒ぎ立てていることだと指摘する評論を掲載した。中国社会科学院日本研究所の高洪・副所長は、日本側のこうしたやり方は、「ゼロ・サム・ゲーム」という冷戦時の思考を明るみにし、東アジア地域でいわゆる「ソフト覇権」を維持したいとする日本の企てを反映したものだと考えている、と報じた。
概要は以下の通り。
日本政府は2日、2011年版「防衛白書」を発表したが、中国に関しては再び否定的な内容となっている。これについて、中国外交部と国防部は4日、同時に声明を発表し、厳正に抗議するとともに、日本側の行為に強い不満と断固反対する姿勢を表明した。外交部の馬朝旭・報道官は、白書は中国の国防建設について勝手気ままに論じ、無責任な論評を発表したと直接指摘。国防部の耿雁生・報道官も、日本側は故意に「中国脅威論」を誇張しており、下心があるものだと非難した。
白書の内容が不適切であることから、馬報道官は「中国は平和と発展の道を堅持し、善隣友好と隣国をパートナーとする周辺外交方針を堅持しており、過去もそうだが、今後もいかなる国にとっても脅威となることはない。中国の国防と軍隊の近代化建設の強化は、いかなる国に対するものでもない」と強調。その上で、日本側が歴史を鑑とし、自身の安全保障政策を真剣に反省し、隣国との相互信頼の増進にプラスとなり、地域の平和と安定の維持にプラスとなる事を数多く行うよう期待すると述べた。
◇「平和で軍事力強化」と「善隣友好」を重視する中国
耿報道官は、日本政府が発表した白書の中国に関する内容では、故意に「中国脅威論」を誇張しており、下心があるものだと指摘するとともに、断固反対する姿勢を示した。さらに「中国は防衛的な国防政策を掲げている。中国が国防と軍隊の近代化建設を強化するのは、まさに国家主権と領土保全を維持し、経済社会が円滑に発展するようにするためだ」と強調した。