南中国海で起きた波が収まらないうちに、東中国海でも強い風にあおられて高い波が上がった。国防部の耿雁生報道官は今月4日、日本政府がこのほど発表した2011年版の防衛白書「日本の防衛」には中国に関わる記述があり、「中国脅威論」をみだりに展開しており、何らかの意図があることがうかがえるとの見方を示した。「国際金融報」が伝えた。
△白書からうかがえる「警戒感」
2010年版の白書に比べて、今回の白書には「懸念」や「不安」といった語が何度も登場し、日本が中国の動きに対して強い「警戒感」をもっていることがうかがえる。
新白書は昨年起きた両国船舶の衝突事件発生後の中国側の対応を最初に取り上げ、中国側は「高圧的な対抗姿勢」を取ったと指摘し、日本は今後中国との外交の方向性で「不安」を抱えることになったとした。
新白書は中国の核兵器、ミサイル、陸海空三軍の軍事力の急速な発展と現代化の現状を分析し、中国の軍事力の「不透明性」に懸念を表明するとともに、東中国海、南中国海などの海域における中国の活動範囲が拡大を続けていること、活動がますます活発化していることを指摘。今後は海洋における活動範囲の拡大と頻繁な活動が常態化するおそれがあるとしている。
新白書は日米安保体制について、日米同盟は日本とアジア・太平洋地域の平和と安定を実現する上で不可欠であり、日米両国は今後、より広い分野での安全保障協力を一層推進し、日米の同盟関係を深化させるとしている。あるメディアの評論によると、この内容から、日米同盟を基礎として東南アジア諸国連合(ASEAN)と手を結び、「対中包囲網」を構築したいとする日本の戦略的意図がうかがえるという。
軍事評論家の宋宜昌氏は「中日韓が安定したアジア通貨連盟を構築すれば、米ドルの大幅な下落に対抗し、影響を解消することができ、これこそが正しい構想だといえる。軍事力を強化して、「対中包囲網」を構築することは、最終的には日韓自身の利益を損なうことになる。もしも日本の自動車メーカーに中国市場がなかったとすれば、今日の日本経済はもっとひどいものになる。今、挙げているような(日米とASEANとの)同盟は論理的でなく、非常に滑稽で、歴史の流れに逆行し、道義にもとるものであり、極めて少数の右翼分子の幻想の中にあるものであって、大部分の日本人の利益からかけ離れている」と話す。
特約評論員の宋暁軍氏は「実際、日本自身も混乱している。一方ではますます重要になる中国市場に頼って経済が低迷から脱するよう牽引しなければならず、また一方では引き続き米国の軍事占領下にあり、政治や軍事の面でも米国と協調する姿勢をうち出さなければならない。どのような白書を発表するにしろ、予見できることは、中日の経済規模がますます拡大し、中国に対する日本の依存度がますます大きくなれば、最終的には白書も反故になるということだ」と話す。