日本政府は2日、2011年版防衛白書を発表した。日米同盟を強調するだけでなく、「中国脅威論」を誇張する内容だ。実は日本の一連の言動の背後には、いずれも深い背景がある。(文:王泰平・元在大阪総領事。「解放日報」掲載)
戦後日本は米国の保護の下で発展を図る道を選択した。このため日米安保条約は安保上の意義に限定されるものでは決してなく、事実上、戦後日本の発展戦略の基礎となった。この特殊な発展路線によって日本は米国に深く依存するようになった。民主党は「米国の影響力低下は避けられない」と判断し、行動の自主性の拡大を求めているが、米国は今後20-30年も世界最強の国であり続けるため、日本が対米依存から完全に脱却することはあり得ない。今回の防衛白書は日米同盟の重要性を特に強調しており、日本が今後も日米同盟の維持と強化を優先的外交政策として遂行し続けることが難なく見てとれる。
地政学的観点から言うと、日本にとって米国との戦略的軍事同盟の強化は、米国の強大な軍事力の助けを借りて仮想敵を牽制、威嚇しようとするものであるが、これは事実上、米国の力を借りて地政学的なライバルを抑え込もうとするものである。昨年GDPで中国に追い抜かれたことは、日本にとって強烈な衝撃だった。同じ年に釣魚島船舶衝突事件が起き、中国人船長を保釈したことに日本は「挫折感」を覚えるとともに、米国の助力を仰いで自らの安全を守る決意を固めた。菅直人内閣は鳩山前首相の推し進めた「対等な日米同盟」政策を修正し、「同盟最優先」政策へ明確に転向した。