無論米国にとっても東アジアの大国(主に中国)の発展に備え、抑え込み、その伝統的な覇権と既得権益を維持することは、対外戦略の大きな重点だ。中国を抑え込むという点において、日米の利害はたちまち一致すると言えよう。日米同盟は中日関係および東アジアの政治と安全情勢に影響を与える大きな変数でもある。釣魚島であれ南中国海問題であれ、その背後に米国の影があることは否定できない。米国は近年戦略の重心を東アジアにシフトし、あろうことか公然と舞台に躍り出て波風を起こしている。今後米国は地域問題への介入の度合いをますます強めると見ていい。一方日本は今後、封じ込めと関与という米国の対中「コンゲージメント」政策に附和するだろう。
中日関係は非常に複雑な国家関係だと言うべきだ。中日両国間には解決困難な構造的摩擦や現実的な利害衝突が存在する。日米同盟の非対称性のもたらす米国要因の日本への影響はことのほか直接的かつ重大だ。日本は政局がめまぐるしく変化し、民主党内部の意見もまとまらず、政権の先行きは不透明だ。中日両国のパワーバランスは二千年の歴史において常に不均衡な状態にあった。今日、中日のパワーバランスには過去1世紀半なかった変化が生じており、アジアは2つの大国の並立という局面を迎えている。中国の急速な発展に対する政界や社会の抵抗感は、日本政府の対中政策に影響を与えている。こうした要因が、協力する一方で競争し、助けを借りる一方で制約するという中日関係の基本構造を決定づけている。両国関係の将来は様々な不安定要因を抱えており、少なからぬ曲折を経るに違いない。
「人民網日本語版」2011年8月8日