ロンドン東部の暴動が起きた地域で、警戒にあたる警察官。
6日から始まったロンドンの暴動は8日で3日目に入り、ロンドンの多くの地域で暴力事件が相次いだ。また、暴動はすでにイギリス中部のバーミンガムにも飛び火している。ロンドン市は8日夜、全面的な厳戒態勢に入り、暴動を防ぐため、発生地域に多くの警察を配備した。
ロンドンで男性が警察官に射殺された事件をきっかけに発生した暴動は拡大し続け、その速さと事件の深刻さは人々の想像を遥かに超えている。
9日朝までに、暴動はロンドンからバーミンガム、リバプール、ブリストルなどイギリスの他の大都市にも飛び火した。若者を中心とする暴徒らは放火、略奪、警察襲撃などの暴力行為を繰り返し、ゆったりしていた休暇中のロンドンは「戦場」となった。当初は暴動を重く受けとめていなかったイギリスのキャメロン首相、内政大臣、ロンドン市長も休暇を切り上げ、急きょ帰国した。
黒人男性のマーク・ダガン(Mark Duggan)さん(29歳)が今月4日に警察官に射殺されたことに対し、300人規模の抗議デモが6日夜にロンドン北部トッテナムで起きたことが今回の暴動の発端。警察側は当初、「ダガンが先に発砲した」と説明したが、市民は納得しなかった。その後の調査で、警察が撃たれた銃弾は警察が発砲したものであることが判明した。市民から警察側は真実を隠そうとしたと思われ、抗議は深刻な暴動へと変わった。
しかし、トッテナムで始まった暴動があっという間にロンドンの他の地域や都市に広まったのには、深い原因がある。これは単なる銃撃事件ではない。