ロシアの戦略爆撃機が8日に日本領海上空を一周する「異例」の行動に出たのに続き、ロシアの軍艦も9日に北海道の北の宗谷海峡を通過する「異例」の行動に出た。就任間もない日本の野田佳彦新首相にロシアが最初のにらみを利かせた格好だ。中国青年報が伝えた。
それだけではない。ロシア国防省は9日、9月中旬からカムチャッカ半島付近で、兵士1万人と艦艇50隻以上を投入して大規模な海上軍事演習を実施すると発表した。対潜水艦巡視訓練、上陸訓練などが行われる可能性が高い。
プーチン首相も同日、南クリル諸島(日本名:北方四島)の開発を促進するため、年内に12億ルーブルを追加拠出する方針を示した。ロシア国家安全保障会議のパトルシェフ書記も11日に南クリル諸島の国後島と歯舞諸島を訪れ、インフラ整備状況を視察した。
こうしたロシアの一連の動きを前に、日本の玄葉光一郎外相は9日、どうしようもなくロシアのラブロフ外相に自ら電話し、刺激的な軍事行動の自制を求めた。玄葉外相は「ロシアの意図について日本国民に疑念が生じている。こうした騒がしい行動の停止を求める」と表明。軍用機の飛行目的と飛行ルートについても説明を求めた。ラブロフ外相は「ロシア爆撃機の飛行は国際法に違反していない」と応じた。これについて日本の藤村修官房長官は同日「非常に特異な状況だ。ロシア側の行動を踏まえて適切に対応していく」と表明した。
日本外務省の小寺次郎欧州局長も12日、ロシアのベールイ駐日大使を呼び出し、パトルシェフ書記による北方四島視察に抗議。ロシア爆撃機による日本周辺の飛行、ロシア艦艇4隻による宗谷海峡通過についても「このような行動は容認できない」と抗議した。