国際連合世界食糧計画(WFP)はこのほど、中国企業との初の戦略的パートナーシップの構築を発表した。世界の飢餓問題の解決への中国の積極的な貢献が再び注目されている。WFP中国事務所の黄安生主任は人民日報の取材に対し、中国の貢献を高く評価した。
■30年で被援助国から援助国に転じた中国
WFPへの主な資金拠出国は米国、EU各国、カナダ、日本、オーストラリアなどだ。世界金融危機以降、先進国も債務問題が相次ぎ、途上国支援に支障をきたすことが増えた。こうした背景の下、飢餓問題の解決は新たな試練に直面している。
黄氏は「現在の世界には、目が覚めても空腹を満たすすべを知らない人たちがまだ10億人近くいる。飢餓問題の解決は依然難しい問題だ。国連ミレニアム開発計画の貧困問題解決に関する目標は、一部の途上国にとってはなお達成困難だ。度重なる自然災害と食糧価格の高騰により、こうした国々の食糧安保と住民の栄養状態は一層悪化している」と指摘する。
「だが、中国は飢餓問題の解決において急速な進展を遂げている」と黄氏は言う。過去30年間、飢餓問題の解決において、中国が他のどの国よりも急速かつ広範な進展を遂げたことに議論の余地はない。中国のように、これほど短期間でこれほど多くの国民を飢餓状態から救った国は他にない。
農業省の統計によると、1979年にWFPに正式加盟した中国は、かつて世界最大の被援助国だった。WFPの対中食糧支援事業は現在までに70数件実施され、総額は10億ドル、受益者は3000万人に達する。WFPと中国政府は2000年に最後の5カ年開発的国別援助計画に調印した。中国は近年、WFPへの拠出金額を徐々に増やしている。これらは途上国への食糧支援に充てられ、当該国の農業や食糧生産の発展を支えている。