さらに、戦中日本は不法に南中国海諸島を占領し、戦後南中国海での主権を明確に手放した。そのため日本が南中国海問題にとやかくいう権利はない。
南中国海の主権問題はすでに長いこと存在しているが、小さな摩擦しか起きていない。ところがこの2年、緊張が増している。2年前、クリントン国務長官がベトナム訪問時に各方面の対話を通じた南中国海問題の解決を支持する声明を発表、中国政府はこれに憤慨した。米国と違い日本はこれまで東南アジア諸国を支持して中国と対立するのを避けてきたが、近年その立場が緩んできている。
有識者は、日本政府は米国をまねた駆け引き、つまり一連の多国間協議を行い、南中国海問題の解決を促そうとしているのではないかとの見方を示す。南中国海は世界でもっとも利用頻度の高い航路で、日本の石油供給の90%は中東から南中国海を通って日本に輸送されている。
◇南中国海情勢に根本的な影響は与えない
しかしフィリピンと日本が南中国海問題で手を結んだとしても、南中国海情勢に根本的な影響はないと楊教授はみる。「東中国海と南中国海の状況は異なる。国際海洋法条約は一国が1つの観点から異なる問題を解決しなければならないとは規定していない。中国は東中国海問題では大陸棚の原則、南中国海問題では9点破線を堅持しているが、いずれも問題はない。南中国海態勢は日本とフィリピンの関係が緊密になったからといって、中日、中比関係からして、日比両国がどうこうするとは思えない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月28日