訪日中のフィリピンのアキノ大統領は27日、野田佳彦首相と会談した。会談後に発表した共同声明では、南中国海の安全保障強化で合意した。中国と釣魚島(日本名・尖閣諸島)を争う日本と中国と南沙諸島を争うフィリピンが手を結んだことになる。「東方早報」が伝えた。
◇南中国海問題に介入したい日本
中国国際関係学院の楊伯江教授は、「日本はずっと南中国海問題への介入に興味を持っている。それは日本が早くにベトナムと関係を強化し、近年同国への政府開発援助(ODA)を拡大していることからもわかる。2年前には日本の皇太子まで同国を訪問した。日本の外交において、皇族の訪問は非常にグレードの高いもので、韓国へも訪問したことはない。アキノ大統領は野田首相と会談後、日本の明仁天皇か、他の皇族のフィリピン訪問を期待しているとメディアに語った。
「注目に値するのは、日本のODAに微妙な変化があったことだ。これまで支援の多くは経済発展に使われていたが、現在日本はODAを利用してフィリピン海岸警備隊の通信システムのグレードアップを図っている。フィリピン海外警備隊は南中国海問題で争う地域に必ず現れる。これは中国にも係わることだ」。楊教授は日本のODAの用途が「少し変化した」との見方を示す。
◇米国をまねたい日本
「日本、フィリピン両国が発表した声明の内容は非常に珍しいもので、中国は非常に重視しなければならない。中国脅威論、南中国海での航行妨害で両国が合意することは中国としては受け入れられない。しかし中国は依然として平和共存の5原則、友好善隣政策を通じて平和に争いを解決したい」という楊教授。