◇軍事力の拡充は北氷洋航路の戦略的価値と深い関わりがある
最近のロシアの軍事面の動きを見ると、ロシアは3方面、或いはさらに多くの方面で強みを見せている。ロシアと独立国家共同体は、米軍のアフガンニスタン撤退後、自らがアフガニスタンでいかに役割を発揮するかを討論した。続いて、ロシアはグルジア、アブハジア、南オセチアに軍事基地を設置し、現在は北東アジアで強硬な姿勢を見せている。ロシアは軍事手段で実力と地位を確保することにいっそう重視してきた。同国の国土は広いが、人口は減少しつつあり、軍事力で資源を守る必要がある。
資料写真:カムチャツカ半島にあるロシアの原子力潜水艦基地。
南クリル諸島の周辺海域の回遊魚は、ロシア軍にとって戦略上の天然の恵みである。
ロシアが南クリル諸島をこれほど重視するもう一つの理由は、北氷洋航路に戦略的価値があるためだ。気候変動で北氷洋の氷が溶け続ければ、北氷洋航路からベーリング海峡を迂回してアジア太平洋地域に入ることができ、アジア太平洋地域への重要なルートとなる。こうしたことから、南クリル諸島の領有権主張は日本に対抗するためだけではないといえる。北氷洋航路の開通という潜在的な価値がロシアの軍隊駐屯、軍事力の強化につながった。
◇日本メディア:北方四島の占領は4日で可能 露軍の守備はかかしのよう