温家宝総理は7日、ロシア・サンクトペテルブルクで上海協力機構の第10回総理会議に出席した。
温総理は「上海協力機構は創設から10年来、地域の安全維持、共同発展の促進という目標に向かって着実に邁進し、加盟国間に団結・友好の政治環境を築き、『3つの勢力』(分離独立派・宗教過激派・テロ集団)に対する強大な共同取締り能力を形成し、経済協力関係を緊密化し、世々代々の友好への信念を育んできた。こうした確かな成果は、われわれが今日世界金融危機など各種試練に共同で対処し、共通利益を守る上で堅固な基礎となっている。現在、国際構造には大きな変化と調整が起きている。上海協力機構には厳しい試練に耐えるだけでなく、チャンスを捉えて強大化を図り、地域の人々を幸福にし、公正で合理的な国際政治・経済新秩序の構築に相応の貢献を果たすことがより求められている」と述べた。
また「中国は議長国として各国と共に政治・経済・人・文化など各分野での上海協力機構の今後10年間の計画を積極的に策定・実行していきたい。加盟国と共に団結・協力し、常に進取の精神で、既定目標・任務の実現に努め、地域と世界の平和・発展促進に新たな一層の貢献を果たしていきたい」と指摘した。
温総理は上海協力機構の実務協力の強化について以下の提言を行った。
(1)加盟国の経済モデル転換のもたらす協力のチャンスを捉え、積極的な措置を講じて、加盟国間の商品・資本・技術・サービスの自由な移動を促進し、経済・貿易協力を一層活性化する。
(2)重層的で多ルートな資金調達協力システムを構築し、地域経済協力プロジェクトへの資金調達支援を強化し、引き続き通貨スワップや決済協力を拡大し、マクロ経済・金融政策面で協調を強化する。
(3)地域の経済貿易協力の基礎を固めるため、交通・エネルギー・通信インフラの相互連結を加速する。
(4)加盟国の経済成長に必要なエネルギーの多元化を図り、原子力、太陽エネルギー、風力エネルギーなどクリーンエネルギーの応用を推し進める。