私は米国がミャンマーを抱き込む真の動機は、中国包囲を名目に、こうした国々の米国への警戒を解いた後、機会をうかがって代理人をもりたて、政権を転覆することにあると見ている。米国の外交史において、こうした事例は枚挙にいとまがない。ミャンマー当局に反体制派の釈放を迫ったことが、すでにこれを示唆している。
現在、米国の軍事攻撃の重点はイスラム世界にある。欧州にミサイル防衛システムを配備し、中国周辺に包囲網を築くなど、中ロに対してはグローバルな戦略的牽制を行っているだけだ。したがってミャンマー抱き込みという現在の米国の行動に対して、中国が過剰に反応する必要はまだない。だが長期的に見れば、自国の安全保障上の利益が米国に損なわれるのを放置するわけにはいかない。中東がうまくいけば、米国は直ちに銃口を中ロに合わせるだろう。その時、米国が事前に手を打っていた配置点は、瞬時にして中ロが直面せざるを得ない戦略の最前線にエスカレートする。
米国は恩義を感じることのない国だ。中国が米国債を大量に購入しているからといって、礼儀にかなった返礼をすることはない。21世紀における米国の国家目標は世界帝国の構築だ。そのためにはイスラム世界、中国、ロシアの3大戦場を同時に往き来しなければならない。当然中ロは連携して米国の勝手な振る舞いを阻止すべきだ。対イラン制裁問題ですでにそうしたが、さらにできる事が多くある。
「人民網日本語版」2011年12月6日