南中国海への日本の介入の本質

南中国海への日本の介入の本質。

タグ: 南中国海,日本,米国

発信時間: 2011-12-12 15:53:17 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

南中国海は大舞台のように、周辺各国だけでなく米日印露(最近は欧州も関心を寄せ始めた)など「大物」も引き寄せている。南中国海の混乱局面を処理するには、まず大きな対立を幾つか整理し、明らかにする必要がある。(文:庚新・JCC新日本研究所副所長。「環球時報」掲載)

まず、中米間の対立。米国は表面上は居丈高に見えるが、実は守りのために攻勢を見せている。米国の突きつける具体的要求は、全て覇権維持のためという一点に尽きる。米国は中国を次の挑戦者と見なし、「限定的紛争」を特徴とする「南中国海カード」を入念にデザインしているのだ。米国はどの国にとっても非常に敏感な領土紛争に手をつけることで、もめ事を起こすが、中国との本当の正面対立は避ける。台湾地区や朝鮮半島など中国の核心的や準核心的利益には触れないし、日米安保など軍事同盟を土台に中国の比較的手薄な「戦略的曖昧区」の南中国海を押え、武力を行使することもない。

次に、中国と日本やインドという大国との対立。日印はアジア協力圏の建設において共に中国と主導権を争う地域大国で、共に中国と不愉快な歴史の記憶を持ち、共に中国と似た領土係争を抱えると同時に、経済面では共に中国と緊密な依存関係にある。インドが自国のために介入しているのと比べ、日本は米国との共同歩調の色彩が濃い。もちろん米国と共同歩調をとるのも、地域における自国の戦略的利益にプラスとなるからだ。南中国海への日本の介入の本質は、東アジア全体の構造における自国の地位の追求にある。

第3に、中国とベトナムなど領有権主張国との対立。真の意味の南中国海紛争はこれだ。この対立には3つの大きな特徴がある。第1に「2つの中心」。南中国海係争のほとんどは主権の帰属と資源開発という2つの中心的問題を同時に抱えている。主権の帰属は通常ゼロサム的な争いだが、資源開発は互恵・ウィンウィンが可能だ。現状から見ると、平和には主権争いの棚上げが、発展には資源の共同開発が有利だ。そして両者間の良好な相互作用も完全に可能である。第2に「非対称性」。中国と他の領有権主張国との間にはパワーバランスと関係構造に非対称性が存在する。これら領有権主張国のほとんどは大国に虐げられてきた歴史を持ち、利害得失をよく理解している。そして往々にして大国の南中国海進出を左右する鍵も握っており、これが南中国海の情勢変動における最もデリケートな要素となっている。第3に「多様性」。ASEAN各国は各々独自性が強く、一概には論じられない。

最後に、南中国海情勢の変動における大陸と台湾地区との対立。実はこれも中国にとって、南中国海戦略の策定にあたり考慮を要する重要な要素だ。その本質は対外領土、特に台湾の関係する地域(大平島など)に関わる際の両岸の互いの位置づけと連携、両岸の敵対状態の解除および平和協定と軍事関連の処理などに関わり得る。現在のところ両岸共に控え目に動いているが、かつての西沙諸島の戦いでの戦略的黙約と両岸の利益要求の共通性、および南中国海の資源の大きな魅力が、南中国海係争に特殊な意義を与えている。これは南中国海への介入において日本などは想定不足の戦略的ポイントであり、われわれが南中国海全体の布石を検討する際の内部コントロール要素ともすべきものである。

「人民網日本語版」2011年12月12日

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