「太平洋は十分に広く、中米両大国は共存、協力できるはずだ」----。中国の楽玉成外交副部長は18日、「中国外交の回顧と展望2011」シンポジウム(主催:外交学院)で基調発言を行い、次のように述べた。
平和・発展・協力という世界の発展の流れに中国外交が順応していることに目を向けなければならない。グローバル化の一層の進展に伴い、われわの暮らす世界は「地球村」の性格を強め、各国の利益の融合が進み、誰もが互いに依存し、互いに切り離せなくなっている。これは全く新しい情勢だ。「我が国が勃興すれば、相手国は衰退」「ゼロサムゲーム」などの冷戦思考で世界を見、外交を行うことはもうできない。
中国は先日、「中国の平和的発展白書」を発表した。中国政府にとって平和的発展路線は世界への厳粛な約束、基本国策であり、他国を騙すものではない。われわれは揺るがずこの道を歩んでいく。これは現在の情勢の下で、唯一選択可能な道でもある。植民地化・略奪、侵略・拡張というかつての西側列強の道を中国が歩むことはあり得ない。軍事同盟の強化、軍拡競争、安易な武力介入、こうしたやり方は時代の潮流にそぐわない。新たな安全保障観を確立しなければならない。この世界は武器が多いほど安全になるのではなく、各国の発展が進み、協力が深まってこそ、より安全になるのだ。
最近米国はアジア太平洋戦略を調整し、この地域への投入を強化している。これについて懸念を抱き、アジア太平洋で中米が平和的に共存できるのか疑問を呈す人、さらにはわれわれの周辺環境が悪化したと考える人もいる。私が見たところ、米国がアジア太平洋から離れたことはなく、「回帰」という言葉は当たらない。中国には、米国をアジア太平洋から排除する意思も能力もない。米国がアジア太平洋地域において、中国の重大な懸念や核心的利益への尊重を含め、建設的役割を発揮することを希望する。太平洋は十分に広く、中米両大国は共存、協力できるはずだ。
単純に「軟弱」「強硬」で中国外交を定義することはできない。外国、特に西側の一部は中国外交は強硬になった、以前のように話しやすくないと非難する。だが、国内世論には中国外交は軟弱すぎるとして、「刃を閃かせ」、一部の国に教訓を与えることを要求する声もある。中国人は剛柔のバランスを重んじる。闘争や妥協は外交の目的ではなく、外交の良し悪しを判定する基準でもなく、外交目標を実現するための方法、選択肢に過ぎない。
来年も国際情勢には重大な変化が予想される。中国は平和発展路線を揺るがず歩み、グローバル・ガバナンスに積極的に参与し、国内の安定と経済建設に全力で取り組み、引き続き大国との関係を安定化・強化し、周辺国との善隣友好に努め、新興大国や途上国との協力を拡大し、第18回党大会の順調な開催に向けて良好な外部環境を築いていく。
「人民網日本語版」2011年12月20日