中国のシンクタンク、中国国際問題研究会が27日、初の「2011年度国際情勢総括報告」を発表した。
それによると、米国の戦略の重心はかなりの勢いで東に移りつつあるが、実現は難しいという。米国は戦略の重心をアジア太平洋、実際にはアジアに移すと大々的に宣言しているが、そのねらいは中国の発展を阻止・抑止することにある。だがこれは総合的な国力と主導力に陰りがみえる米国が、アジアの発展に受動的に反応したに過ぎない。米国のアジア太平洋戦略は順調にはいかず、その目標も達成されないだろう。その理由は次の通り。
(1)米国は国内の問題で手一杯で他に手を回す余力はないし、輸出倍増計画ではアジア太平洋諸国から利益を得ることばかり考えている。
(2)アフガニスタン、イラクから完全に撤退するのは容易ではない。欧州債務危機、中東の混乱、ロシアの振興などが米国は気を取られるだろう。
(3)地域に対する中国の経済的影響力を米国は取って代わることはできない。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国もその主導的地位を米国に奪われるのを懸念している。
(4)米国は中国を主要な戦略相手国とみると同時に、主要な協力パートナーとみている。米中の利益は絡み合っており、深く相互依存しているため、米国が中国と全面対抗するのは不可能。
以上の点から、米国の中国けん制を目的とするアジア復帰は、必然的に他人を傷つけると同時に自らをも傷つけることになる。相互尊重、互恵・ウィンウィン、協力・共存だけが正しい選択となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月28日