2011年、日本ではまた首相が交代し、日本国民は困惑している。政治への距離感と現状に対するパニックで政界はさらに大きく揺れている。こうした悪循環から日本の政治は抜け出せずにいる。
2011年8月30日、野田佳彦氏が菅直人氏の代わって首相に就任した。松下政経塾出身の野田氏は財政面、外交面のいずれでも落ち着いた姿勢を見せている。とりわけ被災地復興に関しては、野田政権は効率が高いと評判だ。
だが年末に日本の政界は再び動揺した。野党が多数を占める参議院で12月9日、一川保夫防衛大臣と山岡賢次消費者行政担当大臣に対する問責決議案が可決されたのだ。野田氏は年明けに内閣改造を迫られる可能性がある。
2010年末、野党は国土交通大臣と官房長官の不信任案を可決、菅氏はその半年後に辞任した。今回の不信任案可決は来年後半にまた首相が交代する可能性を予期している。民主党と野党の権力闘争は民主党が総選挙を何度も先送りしたことで益々激しくなっている上、民主党は政策・政局面ですでに行き詰っている。
頻繁な首相交代は表面的な現象に過ぎない。これは日本国民の現状に対する不安と将来に対する憂慮を反映しているのだ。日本社会は深刻な「無政治状態」に陥りつつあり、政治家と国民の間の信頼関係、基本的な意思疎通は欠如している。冷戦終結後、日本国内で政治改革が叫ばれ、それからすでに20年が経とうとしているが、日本の政界は依然何も変わっていない。まして今は定まった政治路線がまったくない、どこに流れ着くかわからない「政治漂流」の時代だ。与党の行動はすべて政権を守るため、野党の努力はすべて政権交代を果たし、政権を握るために他ならない。