第3に、対イラン経済制裁への参加は経済、戦略など各方面で中国の利益を深刻に損なう。経済的利益だけを見ても、中国にとってイランは重要な原油輸入先であり、消費財・資本設備輸出や海外工事請負の重要な市場でもある。両国間の貿易額は2010年は294億ドル、2011年1-11月は55.8%増の410億ドルに達している。中国の原油輸入先の中で、イランは特に重要な地位にある。イランからの原油輸入を停止した場合、それによって生じる巨大な原油不足をどうやって補えばいいのか?他の国、他の石油会社が代りに提供したとしても、それによって生じる国際石油市場の独占強化、原油価格の上昇を中国は望んでいない。
第4に、事実がとうに証明しているように、米国の発動する数々の経済制裁は往々にしてその主張する目的の達成に無益であり、逆に人道上の災禍をもたらしてきた。米国は20世紀以来、世界で最も経済制裁を多用した国だが、その効果は甚だ疑問だ。冷戦後では、米国が主導し、国連決議を通じて実施された1991-2003年のイラクへの経済制裁以上に典型的なケースはない。この経済制裁によってイラクの人々は人道上の深刻な災禍を被った。イラク人の1人当たり平均収入は1989年の4000ドルから2000年には300ドル以下にまで減少した。30年以上続いていた無償教育は2000年9月に打ち切りを余儀なくされた。医師・薬不足や栄養不良で173万2000人が死亡した。その半数以上が子どもだ。己の欲せざる所、人に施す勿かれ。米国は新中国成立後、対中通商を全面的に禁止し、1972年のニクソン訪中まで継続した。制裁のもたらす人道上の苦難を、中国人民はわがことのように感じており、同様の苦難を無辜の他国民に強いることに同意することはあり得ない。
「人民網日本語版」2012年1月12日