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米国とイランの「対抗」は今まさに深い水域で拡大、変化しつつあるようだ。イランの核問題はまだ解決されておらず、しかも対立する議題は世界経済の命脈にかかわるエネルギー分野へと広がりつつある。実際、筆者はイランが発した「ホルムズ海峡を封鎖する」との威嚇が最終的に実行に移されるとは考えていないが、もともと是弱な世界経済がこれにより新たな嵐に遭遇するかどうかか、世界が関心を寄せる重点となっている。
◇イランの核が問題の1つ
米国とイランは同じ等級の“選手”ではない。でありながら双方の呼板がむしろこのように激しいのは、ロジックの正常な現象に合致していると言えるだろうか。
内部の混乱を通してであれ、軍事攻撃する外部の行動を通してであれ、総じて言えば、核を保有しようと国は崩壊しさえすればいい、というのが西側諸国の基本的な意思であるのは疑いのないことだ。実際、制裁分野は金融と石油輸出を対象に進めているが、一部欧州の国の経済状況を損ねるとしても、それも西側諸国が重点的に展開している行動である。だが、イラン政権にさまざまな制裁が原因で崩壊する兆しが見られないとすれば、それは米国の軍事行動が不可避であることを意味するのではないか。筆者が見るところ、局面は人知をはるかに超えた状態へと進むのかも知れない。
率直に言えば、世論の関心の重点はイランの核問題という1つの方向のみに偏っており、であるなら毎日、戦争がどんな形で出現するか予想するのもいいだろう。だが、米国の世界戦略を自らの研究方向とするなら、筆者はいわゆる「焦眉の急」なる戦争の動静は感じ取れない気がする。
最新の米国の軍事戦略報告を読み返すと、イランは米国の安全にとって最大の脅威とされているものの、同時に中国の軍事発展に対する重大な懸念も何度も表明していることが分かる。ある角度から言えば、イランの核問題と朝鮮の核問題はいまだ解決されていないが、それは実際には米国の必要性に合致しているのだ。でなければ、米国がもてあそぶミサイル防衛システムがどうして配備に適した場所を探し出せるだろうか。
◇米国な広範囲な戦略目標